東大本・脱文錯簡リスト
東大本の画像に『校異源氏物語』及び『新編日本古典文学全集』の頁番号を付与していく過程で、 これら両書の本文との比較において、東大本に本文の脱落や錯簡(綴じ違いなどで、頁の順序が乱れていること)が起こっていると判断される箇所が複数見つかりました。 以下がその一覧です。なお、該当箇所の画像にも赤色三角のアイコンを表示し、説明を付しています。
巻 10 | タイトル 龍眼木(賢木) | コマ数 13 | 説明 右4行目「ふりすゝてけふはゆくともすゝか川やそせの浪に袖はぬれじや」に対する源氏の返歌は本来「すゝか河やそせの波にぬれぬれすいせまてたれかおもひをこせん」であるが、東大本では次の歌「行かたをなかめもやらんこの秋は相坂山をきりなへたてそ」に飛んで、この歌を返歌とする。 なお、脱文箇所には貼紙により本文が補記されている。 | 種類 脱文 | 画像を見る |
巻 18 | タイトル 松風 | コマ数 20 | 説明 左5行目「こまやかにかたらひまいりぬ。いとよそおしうさしあゆみ…」の箇所は、「かたらひ」と「まいりぬ」の間は本来「こまやかにかたらひたまふ…」となるのが通常。 | 種類 脱文 | 画像を見る |
巻 30 | タイトル 蘭(藤袴) | コマ数 15 | 説明 左3行目「をのつからさのみは侍らじと」の後は本来「きこゆるもさることなれば」と続くが東大本には該当する文章がなく、続く4行目の途中までが異文。 | 種類 脱文 | 画像を見る |
巻 31 | タイトル 真木柱 | コマ数 42 | 説明 左1行目以降巻末までが、本来は巻33「藤裏葉」の巻末に該当する。 また、42コマ右最終行は「真木柱」の最後の部分だが、「いそつたいせすとてはしたなかめりとや」の一文が脱落している。 | 種類 錯簡・脱文 | 画像を見る |
巻 33 | タイトル 藤裏葉 | コマ数 26以降 | 説明 巻31「真木柱」42コマ左に続く。 | 種類 錯簡 | 画像を見る |
巻 35 | タイトル 若菜 下 | コマ数 63 | 説明 右1行目「身にかへて」と「しるとそ思ひける卯(四)月十よか斗」の間に本来なら入るはずの文章が脱落している。 | 種類 脱文 | 画像を見る |
巻 49 | タイトル 寄生(宿木) | コマ数 51 | 説明 左9行目「見くるしきを」と「給はむ」の間に本来なら入るはずの文章が脱落している。 | 種類 脱文 | 画像を見る |
巻 49 | タイトル 寄生(宿木) | コマ数 59 | 説明 右1行目「夜もふけぬれば」以降、右5行目「おほかたの世の」までの間に脱文・異文あり。 | 種類 脱文 | 画像を見る |